ブラームスの神髄「ドイツ・レクイエム」&
シューベルトの「完成された未完成」の美しさ
有名な交響曲「未完成」をいわば前曲として演奏する今回の公演は、二つの演奏会を一つにしたまさに贅沢そのものといっても過言ではありません。
ブラームスは「未完成」を称えて「この曲は様式的には確かに未完成だが、決して未完成ではな・・・・・。これほど大衆的な魅力をもった交響曲を、わたしはまだ一度も聴いたことがない。」と述べています。
美しい旋律に彩られた「未完成」に心安らいだあとは、静謐で、重厚で、堂々とした威厳に満ちた大曲「ドイツ・レクイエム」が“今を生きる人々への慰めと癒し”というブラームスのメッセージとともに展開されます。ブラームスのロマン主義的で独創的、かつ感動的な声楽曲です。
名古屋フィルハーモニー交響楽団、円光寺雅彦指揮という、私たち合唱団が現在望みうる
最高の演奏者を得て、混沌とした“いま”を生きる人々へ“限りない愛と、平和の祈り”を込めて
捧げたいと思います。
ブラームス「ドイツ・レクイエム」
このレクイエムは通常の死者のための祈りというよりは、むしろ苦悩を背負う生者のための慰めに重点が置かれている。
第1曲 悩みを抱く者たちは、しあわせである。(合唱)
第2曲 なぜなら、すべての肉体は草のようなものであり(合唱)
第3曲 主よ、私に教えて下さい(バリトン独唱と合唱)
第4曲 あなたの住いはなんと気持ちのいいとこでしょう(合唱)
第5曲 あなた方はいま悲しみを抱いている(ソプラノ独唱と合唱)
第6曲 なぜなら、私たちはこの地上には永遠の都をもっておらす(バリトン独唱と合唱)
第7曲 死者たちはしあわせである(バリトン独唱、ソプラノ独唱および合唱)
7つの部分
創造主の力、人生の無常さ、審判の恐怖、死への運命、慰め、残されたものの悲しみ、そして復活の希望。
今日でのブラームスの中心的声楽作品とされているが、それは当時においても同じであり、ヨーロッパで100回以上は演奏されている。
「ドイツ・レクイエム」訳詞 |
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第1曲 合唱 |
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Selig sind, die da Leid tragen, denn sie sollen getrostet werden. |
悲しんでいる人たちは、さいわいである、 彼らは(神に祝福され)慰められるだろうから。 |
(新約聖書 マタイによる福音書 第5章4節) |
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Die mit Tranen saen, werden mit Freuden ernten. |
涙をもって種播く者は、 喜びの声をあげて収穫する。 |
(旧約聖書 詩篇 第126篇5節) |
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Sie gehen hin und weinen und tragen edlen Samen und kommen mit Freuden und bringen ihre Garben. |
種を携え、涙を流して出ていく者は 束を携え、喜びの声をあげて帰ってくるだろう。 |
(旧約聖書 詩篇 第126篇6節 ) |
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第2曲 合唱 |
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Denn alles Fleisch es ist wie Gras und alle Herrlichkeit des Menschen wie des Grases Blumen. Das Gras ist verdorret und die Blume abgefallen. |
人はみな草のごとく その栄華は、みな草の花に似ている。 草は枯れ 花は散る。 |
(新約聖書 ペテロの第一の手紙 第1章24節) |
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So seid nun geduldig, lieben Bruder, bis auf die Zukunft des Herrn. Siehe, ein Ackermann wartet auf die kostliche Frucht der Erde und ist geduldig. daruber, bis er empfahe den Morgenregen und Abendregen. |
だから兄弟たちよ。 主の最後の審判の時まで耐え忍びなさい。 見よ、農夫は、地の尊い実りを、 前の雨と後の雨とがあがるまで、 耐え忍んで待っている。 |
(新約聖書 ヤコブの手紙 第5章7節 ) |
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Denn alles Fleisch es ist wie Gras und alle Herrlichkeit des Menschen wie des Grases Blumen. Das Gras ist verdorret und die Blume abgefallen. Aber des Herrn Wort bleibet in Ewigkeit. |
人はみな草のごとく その栄華は、みな草の花に似ている。 草は枯れ 花は散る。 しかし主の言葉は、 とこしえに残る。 |
(新約聖書 ペテロの第一の手紙 第1章24節) |
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Die Erloseten des Herrn werden wieder kommen und gen Zion kommen mit Jauchzen; ewige Freude wird uber ihrem Haupte sein, Freude und Wonne werden sie ergreifen, und Schmerz und Seufzen wird weg mussen. |
主にあがなわれた者は 帰ってきて、その頭に、とこしえの喜びをいただき、 歌うたいつつ、神の住む丘、シオンに来る。 彼らは楽しみと喜びを得、 悲しみと嘆きは逃げ去る。 |
(旧約聖書 イザヤ書 第35章10節) |
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第3曲 バリトン独唱を伴う合唱 |
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Herr, lehre doch mich, dass ein Ende mit mir haben muss, und mein Leben ein Ziel hat, und ich davon muss. |
主よ、わが終わりと わが日の数のどれほどであるかを私に知らせ、 わが命のいかに 儚いかを知らせてください。 |
(旧約聖書 詩篇 第39篇4節) |
Siehe, meine Tage sind einer Hand breit vor dir, und mein Leben ist wie nichts vor dir. |
見よ、あなたは私の日を束の間とされました。 私の一生はあなたの前では無に等しいのです。 |
(旧約聖書 詩篇 第39篇5節) |
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Ach, wie gar nichts sind alle Menschen, die doch so sicher leben. Sie gehen daher wie ein Schemen und machen ihnen viel vergebliche Unruhe, sie sammeln und wissen nicht, wer es kriegen wird. Nun, Herr, wes soll ich mich trosten? Ich hoffe auf dich. |
まことに、すべての人はその盛んな時でも 息にすぎません。 まことに人は影のようにさまよいます。 まことに彼らはむなしい事のために騒ぎまわるのです 彼は積み蓄えるけれども 誰がそれを収めるかを知りません。 主よ、今私は何を待ち望みましょう。 私の望みはあなたにあります。 |
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Der Gerechten Seelen sind in Gottes Hand, und keine Qual ruhret sie an. |
神に従う人の魂は神の手で守られ もはやいかなる責め苦を受けることはない。 |
(旧約続篇 ソロモンの智恵 第3章1節) |
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第4曲 合唱 |
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Wie lieblich sind deine Wohnungen, Herr Zebaoth! Meine Seele verlanget und sehnet sich nach den Vorhofen des Herrn; mein Leib und Seele freuen sich in dem lebendigen Gott. |
万軍の主よ、 あなたの住む天国はどんなにか麗しいことでしょう。 わが魂は絶え入るばかりに 主の大庭を慕い、 わが心とわが身は 生ける神に向かって喜び歌います。 |
(旧約聖書 詩篇 第84篇1〜2節) |
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Wohl denen, die in deinem Hause wohnen, die loben dich immerdar. |
あなたの家に住み 常にあなたを誉め称える天国にいる人は幸いです。 |
(旧約聖書 詩篇 第84篇4節) |
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第5曲 ソプラノ独唱を伴う合唱 |
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Ihr habt nun Traurigkeit, aber ich will euch wieder sehen, und euer Herz soll sich freuen, und eure Freude soll niemand von euch nehmen. |
このように、あなたがたにも不安がある。 しかし、私は再びあなたがたと会うだろう。 そして、あなたがたの心は喜びに満たされるだろう。 その喜びをあなたがたから 取り去る者はいない。 |
(新約聖書 ヨハネによる福音書 第16章22節) |
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Sehet mich an: Ich habe eine kleine Zeit Muhe und Arbeit gehabt und habe grossen Trost funden. |
眼を見開いて見よ。 わずかな努力で 私が多くの安らぎを見出したことを。 |
(旧約続篇 ベン・シラの智恵 第51章27節) |
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Ich will euch trosten, wie einen seine Mutter trostet. |
母のその子を慰めるように 神である私もあなたがたを慰める。 |
(旧約聖書 イザヤ書 第66章13節) |
第6曲 バリトン独唱を伴う合唱 |
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Denn wir haben hie keine bleibende Statt, sondern die zukunftige suchen wir. |
この現実の地上には永遠の都はない。 きたらんとする神の国こそ、 わたしたちの求めているものである。 |
(新約聖書 ヘブル人への手紙 第13章14節) |
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Siehe, ich sage euch ein Geheimnis: Wir werden nicht alle entschlafen, wir werden aber alle verwandelt werden: und dasselbige plotzlich, in einem Augenblick, zu der Zeit der letzten Posaune. Denn es wird die Posaune schallen, und die Toten werden auferstehen unverweslich, und wir werden verwandelt werden. Dann wird erfullet werden das Wort, das geschrieben steht: Der Tod ist verschlungen in den Sieg. Tod, wo ist dein Stachel? Holle, wo ist dein Sieg? |
ここで、あなたがたに奥義を告げよう。 わたしたちのすべては(死んだ後も) 眠り続けるのではない。 この世の終わりのラッパの響きとともに、 またたく間に一瞬にして変えられる。 というのは、ラッパが響いて、死人は朽ちない者に蘇らされわたしたちは変えられるのである。 (そのとき)聖書に書いてある言葉が成就するのである。 「死は勝利にのまれてしまった。 死よ、おまえの勝利は、どこにあるのか。 死よ、おまえのとげはどこにあるのか。」 |
(新約聖書 コリント人への第一の手紙 第15章51〜55節) |
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Herr, du bist wurdig zu nehmen Preis und Ehre und Kraft, denn du hast alle Dinge erschaffen, und durch deinen Willen haben sie das Wesen und sind geschaffen. |
「われらの主なる神よ、 あなたこそは、 栄光とほまれと力とを受けるにふさわしいかた。 あなたは万物を造られました。 あなたの意思によって、万物は存在し、 また、造られたのです。」 |
(新約聖書 ヨハネの黙示録 第4章11節) |
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第7曲 合唱 |
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Selig sind die Toten, die in dem Herrn sterben, von nun an. Ja, der Geist spricht, dass sie ruhen von ihrer Arbeit; denn ihre Werke folgen ihnen nach. |
「今からのち、主を信じて死ぬ人は幸いである。」 聖霊も言う、 「しかり、彼らはその生前の苦労を解かれて休み、 その行いゆえに報われる。」 |
(新約聖書 ヨハネの黙示録 第14章13節) |
訳詞は、日本聖書協会発行の口語訳旧約聖書(1955年改訳)及び新約聖書(1954年改訳)を参考に、瀬戸メサイア合唱団が意訳した。
[練習時間]
毎月第1,3木曜日
PM6:45〜9:00
第2日曜日
PM13:45〜16:00
第4土曜日
PM15:00〜17:00
[練習会場]
原山公民館 他
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