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瀬戸メサイア合唱団情報ページ

演奏会の記録    シュバルツェ・レクイエム


東日本大震災被災者のためのレクイエム

- 鎮魂と祈り -

 

平成24年3月11日(日)

12:30 開場

13:00 開演

瀬戸永泉教会 礼拝堂

共催

瀬戸メサイア合唱団 瀬戸永泉教会

    □□ プログラム □□   
                             指  揮 神田 豊壽
                             オルガン 山田 晶子
                             ハンドベル  神田 由貴
                             ソプラノ 美口 啓子
                             ア ル ト 加藤 久子
                             合  唱 瀬戸メサイア合唱団
     ヘンデル作曲“メサイア”より 
        And the Glory of the Lord
        For unto us a Child is Born

      G.シュバルツェ作曲 U.グラーズニク作詞
        Akatonbound die Libelle flog
         (鎮魂歌 赤とんぼ-そしてトンボが飛んでいた)
               WER WILL NOCH WAGEN
               DAS SICHTBARE
             間奏曲
               DAS UNSICHTBARE

          +++++ 祈祷 ・ 黙祷 +++++

         八木沢教司作曲 山本よう子作詞

              あすという日が                  

            大空を見上げてごらん あの枝を見上げてごらん
            青空に手を伸ばす細い枝 大きな木の実をささえてる
            いま生きていること 一生懸命生きること
             なんて なんて すばらしい
             明日という日がある限り しあわせを信じて
            明日という日がある限り しあわせを信じて

            あの道を見つめてごらん あの草を見つめてごらん
            踏まれてもなお伸びる道の草 踏まれたあとから芽吹いてる
            いま生きていること 一生懸命生きること
           なんて なんて すばらしい
            明日という日がくる限り 自分を信じて
            明日という日がくる限り 自分を信じて

 

Akatonbo - und die Libelle flog
(赤とんぼ - そしてトンボが飛んでいた
ウルリッヒ・グラーズニクの詩による
独唱、混声四部合唱および変ホ音のグロッケ(鐘)のための
日本的なマドリガルと死者を追悼する歌

瀬戸メサイア合唱団と作曲者G.シュバルツェ氏とのお付き合いは2005年に始まり、愛知万博でのドレスデン吹奏楽団(BKD)との交流演奏会、2007BKD40周年記念演奏会(マイセン、ドレスデン、ゲルリッツ)での共演、2010年瀬戸メサイア合唱団20周年記念メサイア演奏会への出演(指揮)と相互交流を重ねています。

 昨年3月の大震災に際し、この追悼曲を作曲され、日本に捧げられました。
本日の演奏はシュバルツェ氏の意志をうけ、瀬戸永泉教会のご好意により、演奏できることとなりました。昨年の311日、震災で亡くなられた多くの方々に捧げます。

曲解説(意訳)
間奏曲を挟んで3部構成の曲となっており、グロッケンシュピール(鐘)の音と共に演奏されます。(尾張瀬戸駅前にマイセン磁器グラス・グロッケンシュピールの チャイムが設置されています。本日はマイセンベルに代わり、ハンドベルで演奏  いたします。)

  Ⅰ 命という言葉

 (震災では多くの人命が失われました)命、命という言葉を誰が軽々しく言うことができるのだろうか? 死者を襲った驚愕(恐怖)、未だに見つからない不明者、絶望の大地・・・私には「命」という言葉を口に出しては言えない。

Ⅱ 見えるもの

  私たちは時計が何時止まったのか、津波が船を錨から引きちぎり、いかに多くの人が亡くなったかを知っている。しかし、ちっぽけな船のような希望が地平線の彼方に姿を現すのは何時のことかを知らない。サイレンの音が鳴り響く時には、立ち尽くし、沈黙し、とても「命」という言葉を口に出すことができない。

 

 間奏曲 

 永遠に見捨てられた場所(汚染地域)のために鐘を鳴らすこと。
 その場所に立ち寄れるのは思い出だけ。雲だけがあなたの家の上を流れる。
 消えてしまった流れ星のような無言の家々。受取人のない郵便物が過去から
 やって来る。しかし誰も受け取ることができない。

 Ⅲ 見えないもの

  どんな考え方(言葉)が世界を支えているのか?
   死をもたらす雨の後で、風の後で、火の後で、「夢」という言葉が生き残っている。より良い時のために  とってあったのだ。
     夕焼けこやけの赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か・・・
   星を見るには夜に暗さを返さねばならない。光の洪水を取り除かねばならない。
   夜明けの薄明が私達に希望を与える。人間こそが希望である。

    山の畑で桑の実を 小籠に摘んだのはいつの日か・・・
     十五で姉や(子守女)は嫁に行った お里の便りも絶え果てた・・・
   子供が母胎から生まれるように光は物体から生まれる。
   私たちは、再び勇気を持ちうる。「命」という言葉を口に出していえる勇気を。

                                     文責 瀬戸メサイア合唱団

□□ プロフィール □□

 Guenter Schwarze(作曲)

 1949年にドイツ・ザクセン州、ドレスデンから約60キロ東方のバウツェンに  生まれる。バウツェンにてオルガン製作技術を習得。ドレスデン音楽大学にて作曲、声楽を学ぶ。作曲学士。1979年からドレスデンのカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学教授(作曲、音楽理論)。ドレスデン吹奏楽団(Blaeserkollegium Dresden)指導者、マイセン磁器グラス・グロッケンシュピール音楽顧問でもある。

 Ulrich Grasnick(作詞)

  1938年にドイツ・ザクセン州、ピルナに生まれる。1963年、カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学卒業。作家協会会員。"Stage of Poets Berlin”会長。Guenter Schwarzeとは数十年にわたる友人であり、数多くの曲を共作している。

 神田 豊壽(指揮)

愛知県立芸術大学大学院修了。二神二朗氏に師事合唱曲や「レクイエム」のソリスト、第九などの指導も行っている。明和高校音楽科非常勤講師。

 山田 晶子(オルガン)

  京都市立堀川高等学校音楽科、愛知県立芸術大学卒業。同大学院修了。竹内美知子、芝崎美恵、田辺緑、ヘンリエッタ . ミルヴィス各氏に師事。

 神田 由貴(ハンドベル)

愛知教育大学音楽科卒業。二神二朗氏に師事。オペラ「ヘンゼルとグレーテル」で「子どもたちへのオマージュ」出演。公立春日井小牧看護専門学校非常勤講師。

 美口 啓子(ソプラノ)

名古屋音楽大学声楽科卒業。()日本歌曲振興会会員。日本Gプッチーニ協会会員。合唱団の指揮者として長年多数の団を指導する。

 加藤 久子(アルト)

武庫川女子大学音楽学部声楽学科卒業。山本照栄、根石弥生、大森地塩各氏に師事。国内外の演奏会にソリストとして多数出演。瀬戸メサイア合唱団員。

 瀬戸メサイア合唱団(合唱)

1990年の創立以来、ヘンデルの『メサイア』を大切に歌い続ける傍ら、3回のドイツ親善演奏旅行をはじめとするドイツ、特にザクセン州の音楽団体との相互交流、1998年から続けているチャリティーコンサート、地元でのボランティア活動などを行っている。これらの活動が評価され、2005年に瀬戸市文化協会『つばき賞』を受賞。近年は『メサイア』のほかに、モーツアルト『レクイエム』、ブラームス『ドイツレクイエム』等も演奏。現在は2013年の演奏会を目指し、バッハ『ロ短調ミサ曲』にチャレンジしている。

 

東日本大震災から1年経った3月11日、私達は被災された方々のために“レクイエム”を歌い、祈りました。皆其々の想いで意義のある時間を過ごすことができました。今回の演奏は多くの方々のご協力で実現することができました。瀬戸永泉教会のご協力はもちろんですが、楽譜の詳細な翻訳をしてくださった市崎さん(元団員)、音取りCDを作ってくださった井上さん、大垣からドイツ語の発音指導に来てださった井上しほみさん、忍耐強くご指導くださった神田先生、重いハンドベルを演奏してくださった由貴先生、そしてソリストの美口先生と加藤久子さん、そして団員全員の想い。。。これらすべてが合わさって、シュバルツェ教授とグラーズニク氏の日本への想い、被災地復興への願いを伝えることができたのではないかと思います。ありがとうございました。

 絆

グリーンシティケーブルテレビ
3月18日(日)~24日(日)
11:30~   15:00~   放送されます